巻十一(全)

巻十一第九話① 弘法大師空海が真言を学ぶことを決意した話

巻11第9話 弘法大師渡唐伝真言教帰来語 第九 今は昔、弘法大師という聖がありました。俗姓は佐伯の氏、讃岐の国多度の郡屏風の浦(香川県善通寺市)の人です。母である阿刀の氏は、聖人があらわれて胎の中に入る夢を見て懐妊し、大師を生みました。 ...
巻二(全)

巻二第二十一話 智恵の眼を得た天人の話

巻2第21話 天人聞法得法眼浄語 第(廿一) 今は昔、仏が祇園精舎にいらっしゃるとき、天人が一人、下り来たりました。 仏はこの天人を見て、四諦の法を説き聞かせました。天人はこの法を聞くと、たちまちに法眼浄(真理を見通す智恵の眼)を得ました...
巻十七(全)

巻十七第三十二話 上総守時重、法華経を読誦して地蔵の助けを受ける

巻17第32話 上総守時重書写法花蒙地蔵助語 第卅二 今は昔、上総守(かずさのかみ・現在の千葉県中央部の国司)藤原時重朝臣(ふじわらのときしげのあそん)という人がいました。かの国の国司(上総国は親王任国なので、臣下の守はないが、介を守と通...
巻三十一

巻三十一第二話 橋をかけるため寄進を集めた話

巻31第2話 鳥羽郷聖人等造大橋供養語 第二 今は昔、鳥羽の村(京都市南区上鳥羽)に大きな橋がありました。古くから桂川にかかっている橋です。その橋が壊れて、人は渡ることができませんでした。 人がみな河を泳いで渡っていることを歎き、一人の...
巻十一(全)

巻十一第八話 鑑真が戒律を伝えた話

巻11第8話 鑑真和尚従震旦渡朝伝戒律語 第八 今は昔、聖武天皇の御代に、鑑真和尚という聖人がありました。震旦の揚州江陽県の人です。俗姓は淳于の氏でした。十六歳のとき、則天武后の代、長安元年(西暦701年)に、智満禅師という僧について出家...
巻六(全)

巻六第十八話 死んだ父母が二十数名の人とともにあらわれた話

巻6第18話 震旦并州張元寿造弥陀像生極楽語 第十八 今は昔、震旦の并州に、張の元寿という人がおりました。善の心がありましたが、家は殺生を業(漁師・猟師・魚屋・肉屋など生物の命を奪う職業)としていました。 元寿は父母が亡くなると、殺生の業...
巻二十(全)

巻二十第三十話 現世で地獄の炎に焼かれた男の話

巻20第30話 和泉国人焼食鳥卵得現報語 第三十 今は昔、和泉の国和泉の郡の痛脚村(大阪府泉大津市)に一人の男がありました。よこしまな心を持ち、因果を知らず、常に鳥の卵を煮焼して食べていました。天平勝宝六年(754年)三月、この男の家に見...
巻六(全)

巻六第十七話 極楽の池の花が咲きしぼむのを見た人の話

巻6第17話 震旦開覚寺道喩造弥陀像生極楽語 第十七 今は昔、震旦の隋の代に、開覚寺という寺がありました。その寺に、道喩という僧が住んでいました。年来、阿弥陀仏を念じ、他に思いを致すことはありませんでした。栴檀を材料に、三寸(約10センチ...
巻十一(全)

巻十一第七話 奈良の大仏の開眼供養のためにインドから高僧がやってきた話

巻11第7話 婆羅門僧正為値行基従天竺来朝語 第七 今は昔、聖武天皇が東大寺をつくり、大仏の開眼供養しようとしたとき、行基を講師としようとしました。ところが、行基はこう言いました。「私は適当ではありません。講師を勤むべき人は外国からやって...
巻二(全)

巻二第二十話 焼かれても河に投げ入れられても傷つかなかった子の話

巻2第20話 薄拘羅得善根語 第(二十) 今は昔、天竺の仏の弟子に、薄拘羅(はくら、ヴァックラ)尊者という人がありました。 過去の九十一劫の時(一劫は宇宙が誕生し消滅する時間)、毗婆尸仏(ぴばしぶつ、過去七仏)が涅槃に入られた後、一人の比...
巻二十九(全)

巻二十九第二十六話 日向守、書生を殺す

巻29第26話 日向守□□殺書生語 第廿六 今は昔、日向守(ひゅうがのかみ・現在の宮崎県の国司)□□の□□という者がいました。 任国にいるうち、国司の任期が終わったので、新任の国司の着任を待つ間、引き継ぎの書類などをつじつまの合うよ...
巻二十九(全)

巻二十九第二十五話 平貞盛、胎児の肝を採る

巻29第25話 丹波守平貞盛取児干語 第廿五 丹波守(たんばのかみ・現在の京都府中部と兵庫県北東部の国司)に在任中、任国で悪性の瘡(かさ・皮膚疾患)をわずらい、□□という名医を京から迎えて診察させたところ、医師(くすし)は、「命に係わるよ...
巻二十五(全)

巻二十五第十二話 源頼信・頼義父子、馬盗人を追う

巻25第12話 源頼信朝臣男頼義射殺馬盗人語 第十二 今は昔、河内前司(かわちのぜんじ・現在の大坂府東部の前の国司)源頼信朝臣(みなもとのよりのぶのあそん)という武人がいました。 この頼信朝臣が、東国で名馬を持っていると聞いた人のも...
巻二十九(全)

巻二十九第二十四話 人買いに売られて餓えて死んだ女の話

巻29第24話 近江国主女将行美濃国売男語 第廿四 今は昔、近江の国(滋賀県)□郡に住んでいる人がいました。 未だそれほどの年でもないうちに亡くなり、その妻はまだ四十歳ぐらいで一人残されました。 子も一人も産んでいません。 生れは京の人で...
巻十七(全)

巻十七第三十一話 孤独の地獄に堕ちた説経僧の話

巻17第31話 説経僧祥蓮依地蔵助免苦語 第卅一 今は昔、大和国吉野の郡(奈良県吉野郡)に一人の僧が住んでいました。名を祥蓮といいました。説経を仕事として世を渡っていました。法を説いて人を教化していましたが、自分の勤めは熱心ではありません...
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